2019/10/12
外壁塗装のツヤありとツヤなしどっちがいい?
外壁塗装の色を、何色にしようかと考えている人は多いですが、艶をどのくらいにしようか考えている人は比較的少ないです。
しかし、外壁塗装の艶次第でお家のイメージが大きく変化することもあるため、外壁塗装の艶について知っておくことは重要です。
外壁塗装の艶ありと艶消しの基礎知識・〇分ツヤとは? |
外壁塗装には、通常「艶あり」「七分ツヤ」「五分ツヤ」「三分ツヤ」「艶消し」の5段階に分かれています。
どの〇分ツヤからは艶ありで、どの〇分ツヤからは艶消しという明確な決まりはありません。
しかし、塗装業界ではグロス値(光沢率)を基準として、艶あり・なしを呼び分けています。
グロス値とは、平面に60度の角度から光を当てた場合に反対側に跳ね返ってきた光を測定したものです。
このグロス値が、70%以上であれば艶あり、5%以下は艶消しになります。
下地の柄や凹凸など施工する場所によって光の具合に差が生まるので、あくまでも目安と考えてください。
艶ありのメリット・デメリット
艶ありの塗料は、小さな凹凸がないため汚れが付きにくく、きれいに反射をするため外壁塗装工事を行った視覚的な感覚が大きいように感じます。
特に、サイデイングボードの家は艶が出やすく凹凸もはっきりしているため、より美しく見えます。
しかし、艶ありは経年劣化で艶が無くなっていくため徐々に劣化していくのが分かります。
全体的に同じように艶が無くなって行くわけではなく、紫外線が当たりやすい箇所は艶がなくなり日陰は艶がある状態や、塗料の厚みが付いている箇所と薄い箇所でも艶の差は年月が経つにつれて分かり易く出てきます。
これは個人の好みになってしまいますが、艶ありのテカテカ感が苦手という人もいます。
色は気にっているのに、何か雰囲気が違うと感じている人は艶を抑えれるか担当の営業に相談をしてみると良いと思います。
艶消しのメリット・デメリット
艶消しは、マットで高級感がありオシャレなイメージで仕上がります。
自然な仕上がりに仕上がるため、自然素材を使っているような日本家屋や石調な家は特にバランスが良いと感じるでしょう。
さらに、もともと艶がないため仕上がりの艶ムラが出にくく経年劣化でもそれ程変化がありません。
見た目に多くのメリットをもたらす艶消しですが、大きなデメリットも存在します。
それは、艶消しは耐久性が低いという点です。
艶消しは、調整剤を添加しえいるため余分な物質が含まれることになります。
他にも、表面に凹凸を出し光の反射を少なくするため、汚れが付着し易くなります。
もう一つ、艶消しの多くは艶ありの塗料に調整剤を混ぜていくため、塗料によって艶ありは存在しても艶消しは存在しない場合も少なくありません。
もともと、艶消しで作られた耐久性が高い艶消し塗料も存在するため、艶消しで耐久性を求める場合は確認が必要になります。
塗料によって艶ありの表記でも艶が違う?
最初に記載した、艶ありや五分ツヤなどの表記は一緒でもメーカーごとで仕上がりの艶は変わってきます。
例えば、日本ペイントのパーフェクトトップとSK化研のプレミアムシリコンは同じシリコン塗料で、グレードも同じくらいになります。
この2つの塗料を塗り比べてみると、プレミアムシリコンの方が艶があり、パーフェクトトップは若干落ち着いた艶に仕上がります。
そのため、ピカピカにしたい場合はプレミアムシリコン、艶ありが良いが高級感を持たしたい場合はパーフェクトトップで仕上げると良いかもしれません。
計測を行った訳ではないため、あくまでも私の視感なので気になる方は見本板を発注して見比べてみてくださいね!
材料によっては艶消しを選べない?
先ほども、材料によって艶消しがない場合があるとお伝えしましたが、具体的に説明していきたいと思います。
基本的に、シリコンやフッ素では3分ツヤまでしか艶を落とすことができません。
日本ペイントのオーデフレッシュやSK化研のセラミシリコンでは艶消しはありますが、塗ってみると若干艶が残っている感じがします。
しかも、オーデフレッシュもセラミシリコンも水性塗料のため、雨戸や手摺などの金属部は原則使用できません。
溶剤塗料になると、シリコンやフッ素は艶消しがないため外壁は艶消しでも雨戸や雨樋などは3分ツヤになってしまう可能性があります。
〇分ツヤは施工が難しい?
〇分ツヤの塗料は、調整剤で艶を調整しているため仕上がった際に艶ムラになりやすく、特にリシン壁では出やすい傾向があります。
艶ムラになる原因は大きく分けて2つ存在します。
1つ目は、外壁塗装を行う際に足場の段ごとに仕上げていきますが、その際に次の段に行くまでに乾燥してしまい塗り継ぎが出てしまうことがあります。
乾燥した箇所に重ね塗りをしてしまうと、その部分だけ他の箇所よりも厚みが増してしまい艶が他の箇所と変わってしまい艶ムラになります。
2つ目は、下塗りや中塗りの吸い込みムラによる上塗りの艶ムラです。
先ほどの、リシン壁が特に出やすいと言うのは塗料が壁に一定量吸い込まれてしまうためなのですが、一定量の塗料を塗布しても吸い込み量が場所ごとに違うため、きれいに仕上げるためには艶ありよりも材料と手間を多く使う形となります。
「ちなみに、〇分ツヤや艶消しの中塗りは艶ムラを防ぐために艶ありを塗ってから、上塗りで指定した艶に仕上げます」
最近は少なくなりましたが、いまだに中塗りを上塗りで指定した艶の材料で塗ってしまってから、艶ムラが全然消えないと相談を受けることがあります。
お家ピカイチの職人は、〇分ツヤでも慣れているため上塗りの時のみ人数を増やして塗り継ぎによる艶ムラが出ないようにしたり、吸い込みが激しく艶ムラが標準の仕様だと消えない場合は、吸い込み止め用の塗料を再塗装し直して再度決めて頂いた艶で仕上げたりします。
今までの豊富な経験ももちろんですが、実際に塗料を製造販売しているメーカーの技術スタッフに相談を行い専門的な意見も取り入れながら技術の向上に努めています。
~まとめ~
艶は、見る人によって色と同じで異なって見えたり感じたりします。
そのため、この艶なら間違いないということはなく、自分の好みで選んで頂くのが1番だと思います。
もちろん、専門的な部分や心配な部分、実際の艶を確認するための見本板の発注などお気軽にご相談ください。
お家ピカイチのスタッフはお節介のスタッフが多いため細かい内容まで話始めるかもしれないので、ご相談頂く際は時間がある時の方が良いかもしれません。(お節介ですみません(/_;))
〇分ツヤの施工は、外壁塗装の中でも難しい施工のため信用の置けるスタッフや職人が在中している施工業者にお願いするようにしてください。
ただし、〇分ツヤを本当に艶ムラもなく仕上げるのはかなり難しいため、艶に対してこだわりがあまり無い場合は「艶あり」か「艶消し」のどちらかを選択することをおすすめします。
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